(最終更新:2026年10月)
PayPayでのキャッシュレス決済を店舗に導入しているオーナーのみなさん、電子帳簿保存法への対応はお済みですか?
2024年1月1日から、電子でやり取りした取引データの電子保存が完全義務化されました。PayPayから届く手数料明細や取引データも「電子取引」に該当し、正しく保存しなければ税務調査で指摘を受けるリスクがあります。
「うちは個人商店だから関係ない」「PayPayのデータはアプリで見れるから大丈夫」と思っているなら、ぜひこの記事を最後まで読んでください。実際には要件を満たしていないケースが少なくないのが現状です。
この記事では、PayPay加盟店が電子帳簿保存法に正しく対応するための保存要件・具体的な手順・よくある失敗について解説します。
| この記事でわかること |
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この記事の結論
PayPayの取引データも電子帳簿保存法の対象で、紙に印刷するのではなく電子のまま保存する必要があります。
保存ルールを決め、会計ソフトと連携して管理するのが確実です。
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PayPay加盟店が知るべき電子帳簿保存法の基本
この章では、次の3点を確認します。
- 電子帳簿保存法の概要と目的
- 2024年1月の完全義務化で変わったこと
- 小規模店舗も対象になるかどうか
2024年以降は「知らなかった」では済まされない段階に入っています。
まずは法律の基本をおさえておきましょう。
電子帳簿保存法とはどんな法律か
電子帳簿保存法(正式名称:電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律)は、帳簿・書類を電子データで保存することを認める法律です。
1998年に施行され、その後の改正で要件が段階的に整備されてきました。
保存区分は大きく3つに分かれます。①会計ソフト等で作成した帳簿・書類を電子データのまま保存する「電子帳簿等保存」、②紙で受領した書類をスキャンして保存する「スキャナ保存」、③電子でやり取りした取引データをデータのまま保存する「電子取引データ保存」です。
このうち①と②は任意対応ですが、③の電子取引データ保存は2024年1月1日以降、すべての事業者に義務付けられています。
2024年1月の完全義務化で何が変わったのか
2024年1月以前は、電子取引で受け取ったデータを紙に印刷して保存する「紙代替」が認められていました。
しかし2024年1月1日からは原則として紙代替が禁止されています。電子メールやWebサービス経由で受け取った請求書・明細書・領収書は、電子データのまま保存しなければなりません。
たとえば、PayPayから毎月届く手数料明細、PayPay for Businessのダウンロード明細などが対象です。
ここで押さえておきたいのは、「電子的に受け取ったもの」がすべて対象になるという点です。PDFをメールで受け取ったら、そのPDFをデータで保存してください。印刷して綴じるだけでは要件を満たしません。
小規模店舗も対象になるのか
「うちは個人商店だから対象外では?」という疑問をよく耳にします。しかし電子帳簿保存法の電子取引データ保存は、事業規模や業種を問わず、すべての事業者が対象です。個人事業主も法人も関係ありません。
ただし、小規模事業者向けの特例があります。基準期間(前々事業年度)の売上高が5,000万円以下であれば、データの検索機能に関する要件が免除されます。
具体的には、税務調査でデータのダウンロードを求められたときに応じられる体制を整えておけば、日付・金額・取引先での検索機能がなくても構いません。PayPayを導入している多くの小規模店舗は、この特例が使えるケースが大半でしょう。
PayPay取引で電子帳簿保存法の対象となるデータ
具体的に何を電子保存すればよいのか、以下で確認します。
- PayPayから届く手数料明細・各種通知
- PayPay for Businessのダウンロードデータ
- 電子取引に該当しないデータとの区別
電子帳簿保存法では「何を保存しなければならないか」の把握が出発点です。
対象を広げすぎても管理が大変になるため、まず自分の店舗で対象となるものを洗い出しましょう。
PayPayから届く手数料明細・各種通知
PayPay加盟店に対し、PayPayはサービス利用に関する各種通知をメールやアプリ内で配信します。
毎月の決済手数料の明細、キャンペーン参加時の精算通知、マイストアライトプランの月額料金に関する案内などが該当します。これらは電子的に授受した取引情報であり、電子帳簿保存法の電子取引データに該当します。
注意したいのは、「メールを確認すればいつでも見られる」だけでは不十分だという点です。
メールサーバーの障害やアカウント変更でアクセスできなくなるリスクもあります。自社で管理できる場所にダウンロード・保存しておく必要があり、具体的にはメールをPDF形式で保存するか、添付ファイルをフォルダに移す形が現実的です。「見られるから大丈夫」とメール受信箱に放置しておくのは避けてください。
PayPay for Businessのダウンロードデータ
PayPay for Business(加盟店向けアプリ・管理画面)では、取引明細をCSV形式でダウンロードできます。
このCSVデータには取引日時・金額・取引番号などが記録されており、電子的に提供される取引情報として保存管理が必要です。
CSVをそのまま保存するだけでなく、ファイル名に日付・金額・取引先を含める規則を設けておくと、後から検索しやすくなります。
たとえば「20261001_PayPay_取引明細.csv」のように命名ルールを統一しておくと管理がスムーズです。月に一度、PayPay for Businessからデータをダウンロードしてフォルダに保存する習慣をつけておきましょう。これだけでも税務調査への備えとして大きな効果があります。
電子取引に該当しないデータとの区別
一方で、すべてのPayPayデータが電子帳簿保存法の対象になるわけではありません。
電子帳簿保存法で保存義務があるのは、取引に関連する書類(請求書・領収書・明細書など)を電子的に受け取ったり送ったりした場合です。
PayPay for Businessの画面で単に「確認できる」状態にあるだけの売上データは、加盟店が「書類を受け取った」こととは少し性質が異なります。
ただし、電子的に届いた通知やメールは保存が必要です。判断が難しいケースでは、担当の税理士に確認するか、広めに対象を設定して保存するほうが安全といえます。対象を絞りすぎて後から問題になるよりも、多少過剰に保存しておくほうがリスクは低いです。
PayPayの取引データはPayPay for Businessで確認・ダウンロードできるため、電子帳簿保存法への対応も進めやすくなっています。
これから導入する方は、初期導入費0円で始められる下記の公式ページから申し込めます。
PayPay加盟店が電子帳簿保存法で満たすべき3つの保存要件
電子取引データを保存するには、次の3つの要件を満たす必要があります。
- 真実性の確保:データが改ざんされていないことの証明
- 可視性の確保:必要なときにすぐ確認できる状態
- 検索性の確保:日付・金額・取引先で検索できること(特例あり)
これら3要件を満たさない保存は認められず、税務調査で否認されるリスクがあります。
それぞれの具体的な対応方法を見ていきましょう。
真実性の確保(改ざん防止)
「真実性の確保」とは、保存したデータが後から改ざんされていないことを証明できる状態にすることです。
具体的には次の4つのいずれかで対応します。①タイムスタンプを付与してからデータを授受する、②データを受け取った後に速やかにタイムスタンプを付与する(概ね7営業日以内)、③訂正・削除の記録が残るシステムや訂正・削除できないシステムを利用する、④正当な理由のない訂正・削除を禁止する事務処理規程を定め運用する。
小規模店舗でもっとも取り組みやすいのは、④の事務処理規程を作成して運用する方法です。
国税庁のWebサイトに規程のひな形が公開されており、それを参考に自社の規程を作成・運用すれば要件を満たせます。規程はA4用紙1〜2枚程度のシンプルな文書で十分です。まず規程を作成し、実際の保存作業に沿って運用することがポイントです。
可視性の確保(いつでも確認できる状態)
「可視性の確保」とは、保存したデータを税務調査時や通常業務の確認時にすぐ表示・印刷できる状態にしておくことです。
具体的には、パソコンやクラウドストレージにデータを保存し、PCやディスプレイで閲覧できる環境を維持しておく必要があります。
よくある落とし穴は、データをUSBメモリや古いパソコンにしか保存していない場合です。
必要なときにすぐ起動・確認できない状態では「可視性を確保している」とはみなされないリスクがあります。Google DriveやDropboxなどのクラウドストレージを活用すると、場所を選ばずアクセスでき、バックアップも自動で取れるためおすすめです。月額数百円〜で使える無料プランもあるため、まず無料枠から始めてみましょう。
検索性の確保(売上5,000万円以下は特例あり)
「検索性の確保」とは、取引年月日・取引金額・取引先の3項目で検索できる状態を整えることです。
さらに日付と金額の範囲指定や、2項目以上の組み合わせ検索にも対応することが求められます。
ただし、基準期間の売上高が5,000万円以下の事業者は、税務職員からダウンロード要請に応じられる体制を整えておけば、検索機能の要件が免除されます。
実際には、ファイル名に日付・取引先・金額を組み込む命名ルールでフォルダ管理する方法が現実的です。たとえば「20261001_PayPay_手数料明細_2310円.pdf」のように統一しておけば、WindowsやMacの検索機能でほぼ対応できます。この命名習慣を付けるだけで、税務調査への備えとして大きな効果があります。
PayPay加盟店の電子帳簿保存法対応の手順と注意点
実際に何をどの順番で進めればよいか、3つのポイントで整理します。
- 対象データの洗い出しと保存ルールの決定
- 会計ソフト連携で効率よく管理する
- よくある失敗パターンと対処法
PayPay加盟店の場合、日々の決済件数が多いほど管理するデータ量も増えます。
最初に仕組みを整えておくことで、毎月の作業負担を大幅に減らせます。
対象データの洗い出しと保存ルールの決定
まず、自分の店舗でどのようなPayPay関連の電子取引データが発生しているかを確認します。
チェック項目は次のとおりです。①PayPayから届く手数料明細メール・通知、②PayPay for BusinessのCSV明細ダウンロードデータ、③マイストアライトプランなど有料プランの請求関連データ、④仕入先・光熱費・家賃など他の電子請求書(PayPayとは無関係)。
注意すべき点は、PayPay関連データだけでなく、仕入先や電力会社・不動産の電子請求書もすべて電子帳簿保存法の対象になるということです。
まず対象となるデータをリストアップし、「どのデータを」「どこに」「どう保存するか」を一元的に決めることが先決です。保存先はクラウドストレージ一箇所に集約し、命名規則を統一して運用してください。最初の設計をきちんと行うことで、その後の作業が格段に楽になります。
会計ソフト連携で効率よく管理する
電子帳簿保存法への対応をより効率化したいなら、クラウド会計ソフトとの連携が有効です。
freee会計やマネーフォワードクラウドなど主要クラウド会計ソフトは、電子帳簿保存法に対応した機能を標準装備しています。
ただし、2024年時点ではPayPay for Businessとクラウド会計ソフトの直接連携は限定的とされています。
現実的な方法は、PayPay for BusinessからダウンロードしたCSVを会計ソフトにインポートする形です。インポート手順は各会計ソフトのヘルプページで確認できます。会計ソフトにデータを取り込むことで、仕訳の効率化と電子データの保存を同時に進められるのが大きなメリットです。
電子帳簿保存法への対応と合わせて、PayPay加盟店としての運用全体を最適化するなら、まず公式サイトで最新の加盟店情報を確認しましょう。
よくある失敗パターンと対処法
電子帳簿保存法の対応でよく見られる失敗を3つ挙げます。
①「紙に印刷すれば大丈夫」という誤解、②スクリーンショット保存だけで要件を満たせると思い込む、③事務処理規程を作成したが実際に運用されていない(書面上だけになっている)。
なかでも③の「規程を作って終わり」は税務調査で指摘されやすいパターンです。
規程は作成後、実際の業務フローに沿って運用されていることが求められます。また、スクリーンショットは後から画像編集ソフトで改ざんできるため、真実性の確保が難しいとされる場合があります。できれば公式のCSVやPDFを正式な保存データとして扱い、スクリーンショットはあくまで補完的な資料にとどめましょう。年に一度(確定申告後など)のタイミングで規程と保存状況を見直す習慣をつけることをおすすめします。
PayPayと電子帳簿保存法に関するよくある質問
PayPay加盟店から寄せられる電子帳簿保存法に関する代表的な疑問をまとめました。
Q. PayPayの決済手数料の明細は必ず保存しなければなりませんか?
はい、PayPayから電子的に送られてくる手数料明細は電子取引データに該当し、電子保存が義務です。メールやアプリ内通知で届いた場合はPDF等で保存してください。
Q. 売上が少ない個人商店でも電子帳簿保存法の対象ですか?
対象です。基準期間の売上高が5,000万円以下の場合は検索機能の要件が免除されますが、電子保存そのものの義務は規模を問わず適用されます。
Q. PayPay for BusinessのCSVを保存するだけで要件を満たせますか?
CSVの保存は必要ですが、それだけでは不十分です。真実性の確保(事務処理規程またはタイムスタンプ)と可視性の確保(いつでも開ける状態)も合わせて対応してください。
Q. 紙に印刷して保存するのはもう認められないのですか?
原則として認められません。2024年1月以降、電子でやり取りした取引データは電子データのまま保存することが義務です。業務確認用の印刷は問題ありませんが、それが正式な保存とはみなされません。
Q. 事務処理規程はどこから入手できますか?
国税庁のWebサイトに規程のひな形(サンプル)が公開されています。「電子帳簿保存法 事務処理規程 ひな形」で検索すると入手できます。個人事業主向けと法人向けの2種類があります。
Q. 会計ソフトを使っていれば電子帳簿保存法への対応は自動的に完了しますか?
必ずしも自動完了ではありません。会計ソフトへのデータ取り込みは有効ですが、電子取引データの保存先の設定や事務処理規程の整備など、別途必要な作業があります。
Q. 電子帳簿保存法に対応していないとどうなりますか?
税務調査で指摘を受けた場合、青色申告特別控除の取り消しや重加算税などのペナルティを受ける可能性があるとされています。早めに対応しておくことをおすすめします。
まとめ:PayPay加盟店の電子帳簿保存法対応を今すぐ始めよう
PayPay加盟店向けの電子帳簿保存法対応について、ここまで解説してきました。
要点を整理します。
- 2024年1月から電子取引データの電子保存が完全義務化。PayPay関連の明細も対象
- 保存要件は①真実性(改ざん防止)②可視性(すぐ確認できる)③検索性(売上5,000万円以下は特例あり)の3つ
- 対応の流れは「対象データの洗い出し→保存・命名ルールの決定→会計ソフト連携」
- 「紙に印刷すれば大丈夫」は誤り。電子でもらったものは電子で保存する
- 事務処理規程は作成するだけでなく、実際に運用することが不可欠
まだ対応が完了していない場合は、まず国税庁のひな形を使って事務処理規程を作成し、PayPay for Businessのデータ保存ルールを整えることから始めましょう。
確定申告シーズンの前に整備しておくと、年度末の作業が大幅に楽になります。電子帳簿保存法への対応は一度仕組みを整えれば毎年の負担が最小限で済むため、早めに着手するほど得です。
売上データを電子で管理できることも、PayPayを選ぶ理由の一つになります。
PayPay加盟店の申し込みは、こちらの公式ページから行えます。




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